苦笑するドイツ人
- GUEST HOUSE IOLY 庵 OSAKA

- 6月27日
- 読了時間: 4分
ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、ドイツ人バックパッカーが宿泊されました!
ドイツはシュツットガルトから来られたこの男性、世界を旅しているのでもなく、アジアを旅しているのでもなく、日本を旅しているとのこと。
以前、アメリカに短期留学したことがあり、ヨーロッパ以外を訪れるのは日本が二番目だそうです。
当館チェックイン後、彼はすぐに当館のラウンジに置いてあるギターを手に取り、弾き始めました。目まぐるしくコードが変わる曲でしたが、コードチェンジのときに音が濁ったりすることもなくスムーズに弾いていました。😶
「うまいね!」と私が言うと、スムーズに弾き続けながら彼はニヤリと微笑み、黙って首を横に振りました。😎
聞くと、バンドをやっているそうで、彼の担当はギターとボーカル。
バンドのメンバーは彼ともう一人だけだそうで、そのバンドでライブなどには出たことがないそうですが、Spotifyに4曲ほど載せているそうで、これからもっと増やす予定だそうです。
日本の音楽も好きだそうで、YMO、細野晴臣、シティポップなどを聴いているとのことでした。今、日本の昔のシティポップが海外で流行っているとは聞いていましたが、はたしてこの彼も、私が知らないシティポップの日本人女性歌手の曲を聴いていて、その名前を教えてくれました。
彼のバンドの曲調を言い表すのに、彼が「クラフトワーク(Kraftwerk)って知ってるか?」と言い、「それを今風にしたようなバンドだ。」と表現したのですが、クラフトワークと言えばドイツを代表するテクノ・バンド。「もちろんだ。」と私が答え、さらに、「日本のテクノ・バンドの草分け的存在のYMOって知ってるか?」と返すと、彼も「もちろんだ。」と答え、さらに、「細野晴臣は大好きだ。」と付け足したのでした。😎
細野晴臣の名前を外国人の口からきいたのは初めてでした。
さらに、オーストラリア出身イギリス在住のミュージシャン、ニック・ケイブを私も彼も好きだということが判明し、いつのライブに行ったとかどのアルバムが好きかなど、話が盛り上がりました。😎
また、私もバンドをしていて、去る3月に藤井寺でライブに出て3曲歌い、そのうち1曲は「枯葉」、もう1曲は「イパネマの娘」、そしてもう1曲は日本の昔の曲であったことを伝えると、「その日本の曲ってのは?」と聞いてくれたので、石原裕次郎の「夜霧よ今夜も有難う」をその場で流しました。
思えばこの曲は、初めてこの曲をやろうと決めたとき、石原裕次郎の曲の中でも演歌っぽさが控えめで、ややジャズっぽい曲だったので選んで歌ったものでしたが、ドイツ人の彼の耳にどう聞こえるのでしょうか!? 黙って耳を傾ける彼を見つめながら、私は彼の反応が気になっていました。
「どう?」と聞いてみると、
彼は、「う~ん、確かに古そうだが、エルビスプレスリーを彷彿させるね。」とコメントしました。
エルビス!
なるほど!!
確かに!
日本人である私が日本語で聴いていたからか、日本のエルビスと言えば加山雄三のイメージだったからか、石原裕次郎にエルビスプレスリーのイメージはありませんでしたが、確かに「夜霧よ今夜も有難う」は、プレスリーのバラード曲にも通じるものがあるかもしれませんね。😉
黙って裕次郎を聴きながら、彼はその曲をスマートフォンで取り入れていました。
音楽の話ばかりで盛り上がっていましたが、「日本のどこが好き?」と聞いてみたところ、彼は苦笑したような笑顔で両手を広げたジェスチャーを見せて、
「両極端なところだ。」とひと言。😶
「個より全体を重んじていて、料理などシェアするのに、ファッションやネオンサインは奇抜で、'Look at me(私を見て)!!' って言っている感じが極端で面白い。」とのことでした。
なるほど~。
「確かに。そしてそれはヨーロッパの真逆だね。」 「ヨーロッパは個人主義で、一緒に食事をしても料理は自分のものは自分のものだし、奇抜なファッションをしていてもどこか根底にはスタンダードがあって、それから外れていない気がするね。」と私が付け加えました。
私の言ったことに彼は同意してくれました。
当館滞在中に彼が朝ごはんを当館ラウンジで食べていて、見るとチーズをチーズだけで食べているではありませんか。
「チーズをそのまま食べるの?」と聞くと、彼はまた苦笑したような顔で、
「日本のパンは好きじゃないんだよ。」とこぼします。
「日本のパンには砂糖が入っているだろう?」と言います。
むむ~。パンの国の人に言われると返す言葉もございません。
チェックアウト後、彼は京都へ移動し、その後、メッセージをくれました。
そこには、「京都でサイクリングをしながら石原裕次郎を聴いたよ。」とありました。🤗







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