ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、兵庫県明石市の男性が投宿されました!
ネット予約された直後のチェックインで、「何時頃ご到着予定でしょうか?」というこちらからのメールをチェックすることもなくのタイミングで到着され、ドアを開けてみると「駐車場はありますか?」と開口一番。「あれなんですけど…。」と彼が指さす先を見ると、なんとそこには人力車が!この方、人力車を引いて旅をしていうそうです。
人力車で旅をする、というだけでなく、この方独自の旅のルールをいくつか決めているそうで、日本全国47都道府県の県庁所在地を訪れる、自腹で宿には泊まらない、キャンプなど野宿できる場合は野宿するが有料のキャンプ場は利用しない、そして、先々で人力車に乗りたいという人がいたら無償で乗せてあげるそうです!
また、これはルールかどうか分かりませんが、彼は一年中、下駄しか履かないそうです…。
旅を続ける資金のためにも、その道中、人力車に有料で人を乗せてあげればいいんじゃないですか、と聞いてみると、「それでは意味が無いんです。」と即答。無料で提供しているからこそ生まれる人とのふれあいなどがあるようです。
なるほど。
私はゲストハウスをビジネスとして運営しているので無償で泊ってくださいとは言いませんが、以前、災害ボランティア活動に参加していたときは同じように感じました。被災地までの渡航費、現地での滞在費など全て自腹ですし、ボランティア活動自体ももちろん無償ですが、現地の方々のために何かしてさしあげたいと思って赴いた自分の側が何かもっと大きなものをもらっていたように思います。
ちなみに、ウクライナ難民の方には無償で宿泊していただければと思い、ゲストハウス庵ウェブサイトのホームページにウクライナ語でその旨を記載していますが、ウクライナ人のみなさんの目に留まっていないのでしょうか、現時点で特に反響は無いです…。
自腹で宿には泊まらない、とのことで、ゲストハウスに宿泊したのも当館が初めてだそうです。宿泊された間ずっと、他の宿泊ゲストさんや私と会話を楽しまれ、「ゲストハウス、いいですね!!」と言ってくださいました。
では当館での宿泊代は、というと、その日、道中で声をかけてくれた人が宿代としてお金をくれたそうで、そういうときは好意に甘えて宿を取るとのこと。この日はPayPayを通してお金をくださったそうで、「今どきですよね。」とご本人。他にも、硬貨で300円くれた人や、「今ちょうどいいのが無いから」との理由で、伊藤博文などのデザインの昔のお札をいただいたこともあるそうで、現物を見せてくれました!
こんなふうに様々な人からお金をもらえるとは思っていなかったそうで、その要因を考えると、やはり人力車なので目立つことと、人を乗せてあげられること、しかも旅人が無償で乗せてあげているので、お金を弾みたくなるのではないか、ということでした。なるほど、日本一周の旅をしているというバイクの人や自転車の人や歩きの人もいて、みんなそれぞれのドラマがあるとはいえ、人力車を引いて旅している人ほど目立たないでしょうし、乗せてあげるという旨味も人力車ならではかも知れませんね。
一方、どこも浅草や京都のような観光地というわけではなく、クルマがビュンビュン飛ばす道路で人力車を引いたり、道が狭い、南河内のような地域もあり、移動は大変なようです。
また、宿を取ろうにも、駐車場の無いゲストハウスだったり、駐車場があるホテルだけど駐車場の構造上、人力車が駐車できなかったり、と、人力車を駐車すること自体が問題になるそうです…。
人力車を製造しているのは現代日本では東京だけだそうで、本体も高価だったけど、部品交換だけでも数万円はかかるとのことです💸 そんな中、桜の木の枝が幌に刺さって穴が開いたこともあるんだとか。
また、県庁所在地を訪れるにあたり、各県庁所在地で、実際に県庁まで行って写真を撮ることをルールとしているそうで、やはり各県の県庁付近は道路の交通量も多いので移動が大変だそうです😅
ずっと人力車を引いておられるから足腰が鍛えられたんじゃないですか、と伺うと、
「実は、もともと走ったりするのが得意なんですよ。」とご本人。
人力車を始めるより前から走ることをされていたそうで、2019年に大阪マラソンに下駄で出場し、短時間で完走したことでなんとギネスブックにも載ったそうです!!
旅を始めて4カ月。
琵琶湖周辺で思いがけず長期滞在したこともあり、4カ月で制覇したのは5府県とのこと。
彼の旅はこの先まだまだ続きそうです。
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