ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、ドイツ人の若者が宿泊されました!
大きなバックパックと小さめのバックパックを担いでやってきた、まさにバックパッカーといった出で立ちです。
いろいろな旅の話が聞けるかと思いきや、チェックインと同時に彼が話し出したのは最近の災難の話で、3日前に大阪市内でクレジットカードが入った財布を失くした上に、昨日ジョギング中に転倒して両手の手のひらを擦りむいたとのこと…。暑い中、重たい荷物を背負って駅から歩いて来たので汗だくで、当館のウェルカムドリンクのジュースを一気に飲み干しながら話してくれました。一気に飲み干しても肩で息をしながら真顔で災難について話が続くので、ジュースをもう一杯お出しすると、それも一気に飲み干しました。🤗
「日本は悪くない、失くした俺が悪いんだ、だけどここは日本だ。失くしたモノは誰かが見つけて返ってくるんじゃないか、と期待してもいるんだ。」と彼。
「失くしたクレジットカードは無効にしたのか?」と聞くと、
「いや、まだ。」と彼。というのも、
「まだ、スマートフォンでクレジットカード決済を使って宿とかの予約ができるから、今のところそのままにしているんだ。財布が返ってくるまでもうしばらく待ちたい。」と続けます。☕
その後は、彼の日本国内での旅、そして日本に来る前、日本を出た後の旅程について伺いました。
ドイツを出発して、彼がまず向かったのはカナダ。そこに3か月滞在したそうです。
そして、カナダから日本入りし、今、日本に来て1か月。
日本の次はインドネシアを訪れて、その後、オーストラリアにワーキングホリデーで行きたいとのことです。
オーストラリアは私も以前、ワーキングホリデーで行っていたので、その話をしました。
オーストラリアのワーキングホリデーは独自のシステムで、1年のワーキングホリデーの滞在期間中に3か月の季節労働を行い、政府に申請すれば、もう1年のワーキングホリデー・ビザが取得できるというものがあり、オーストラリアでワーキングホリデーをする人の多くはそれをするので、大体みんな、農場で働くことになる、という話をしました。
広いオーストラリアの南北の気候の違い、それによって異なる季節ごと、エリアごとの作物の収穫時期の違いなどについても触れました。彼はこの9月だったか10月だったかにオーストラリア入りを計画しているとのことで、南半球のオーストラリアはその頃ちょうど春を迎えるので、実にいいタイミングですね。私が初めてオーストラリアに行ったのは12月で、真冬の日本から真夏のオーストラリアへの移動でした。💦
そのオーストラリアの季節労働は農場での仕事が主ですが、ワーキングホリデー・ビザの延長に該当する他の仕事で、工場での仕事や屠殺場での仕事もあるよ、と私が言うと、私がそれを言い終えるよりも先に彼は
「それはゼッタイやらない!俺はビーガンなんだ!」と遮りました。
日本では、北海道、東京、京都、広島、神戸、そして大阪へ。
広島では「原爆資料館に行ってよかった」と述べた一方で、
「だけど、違和感も残った。」と続けます。
「資料館には、日本のファシズムについての言及が全くなかった。」とのことでした。
そこでベルリン出身の彼は、ドイツとイタリアの例を引き合いに出しました。
ドイツでは、かつての教訓として必ずファシズムについて言及し、学ぶとのこと。
一方のイタリアでは、それについて触れない風潮が大きいそうで、それでいてイタリアでは未だにムッソリーニの銅像が立っているとのこと。
なるほどですね…。
そこで私は、しかし、原爆資料館や平和公園の訴えていることは、核兵器の非難であり、アメリカ非難ではない、つまり、敗戦国としての立場をアピールした資料館ではないということを語りました。
彼はそれにも同意してくれました。
広島から大阪へはヒッチハイクで来たそうで、東京までもヒッチハイクで行くつもりだそうです。
「でも、途中で富士山にも行けたら行きたいからボードには『東京』と書かずに『東へ』と書こうかな。」などと言っていました。🤗
これから続く旅で、彼は見聞を広げていくことでしょう。🤗
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