ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、蓑をかぶった旅人が来られました!
一見、江戸時代かそれ以前の時代から出てきたような出で立ちで、一瞬、驚きますが、このような服装でゲストハウス庵に来られる方は西国三十三所巡りをされている方で、その第五霊場・葛井寺を訪れた後に投宿される方であることがほとんどです。
この瘦せぎすの男性もやはり西国三十三所巡りをされている方で、静かな物言いをされるかたでした。寡黙な方でしたが、旅について伺うと少しずつお話ししてくださったり、ご滞在中に洗濯をしていて、洗濯後の風乾燥なのに再び水を出してしまったときのうろたえてしまう感じなど、チャーミングな一面も垣間見れました☺
さらに、ご滞在中の夜のとある時間に、スペイン語のオンライン・レッスンを受けているとのことで、裏番組で私は英会話のオンライン・レッスンを担当していましたが、隣の客室からはその方の流暢なスペイン語が聞こえてきました!! しかも、元々しゃがれた声をされていて、それがスペイン語にピッタリな印象を受けました!!
「いや~語学は苦手だ」と言いながら、英語とスペイン語を話されるそうで、殊にスペイン語は、これまた巡礼の旅でスペインに行かれるので学ばれているそうです。
スペイン北西部の州、ガリシア。
その州都、サンティアゴ・デ・コンポステーラ。
この街にある大聖堂はキリスト教三大メッカのうちのひとつであり、ヨーロッパ各地からここを目指して旅する巡礼の地でもあります。ほとんどの巡礼者はスペイン各地やフランスなどから徒歩で旅するそうです。
ちなみに、私はここサンティアゴ・デ・コンポステーラに行ったことがあるのですが、電車で行きました。なぜ徒歩で行かなかったのかというと、答えはカンタン、ここが巡礼の地であるということを知らないで行ったからです😅
イギリスのサウサンプトンだったかボーンマスだったかの港から、船で二日かけて渡航し、スペインのバスク地方のビルバオに着き、そこから二回ほど電車を乗り換えて、サンティアゴに着いたのでした。
これも現地に着いてから知りましたが、ガリシア地方の人々はケルト人を祖先に持つそうで、土産物店から聞こえてきた音楽がバグパイプを使ったもので、当時の私にはスコットランドの音楽のように聞こえたのでした。
ゲストハウス庵に宿泊されたこの方も、スペインではサンティアゴ巡礼の旅をされるそうで、なんでも、サンティアゴ巡礼はどこからサンティアゴを目指すかによって、様々なルートがあるそうです。この方は今まで二回ほどサンティアゴ巡礼をされたそうですが、この方が師匠と崇めている日本人の方は八回されているそうです。
この方は関東出身で、三十三所巡りの関東版である坂東三十三箇所と、秩父三十四箇所をすでにほとんどまわられていて、それと西国三十三所を合わせるとちょうど百箇所になり、日本百観音と呼ぶそうです。そのほかにも四国八十八カ所巡りもされているし、和歌山の熊野古道巡礼も歩かれているとのこと。
その熊野古道で、面白い話を聞かせてくださいました。
熊野古道の道中に、道路標識のひとつとして、「サンティアゴ・デ・コンポステーラまで○○キロ」というものがあるそうです!!
巡礼道が世界遺産に登録されているのはサンティアゴ巡礼と熊野古道のみだそうで、そういった繋がりが遠く離れた二国間を結んでいるのでしょう。平成10年には姉妹道提携を結んでいるようで、和歌山県田辺市にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの資料も展示してあるようです。
チェックアウト後には、ゲストハウス庵の近くにある、津堂城山古墳を見に行ってから巡礼の旅を続けるということで、各地で小さな寄り道はされているようです☺
また近いうちにスペインに行ける日が来るといいですね!
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