ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、日本人男性が宿泊されました!!
予約サイトを通して宿泊予約されたのですが、そこには日本人男性のお名前と、アメリカの住所が記載されていました。
当館に到着されて、ドアを開けてみると、そこにはキャップをかぶってTシャツに短パンという、アメリカ人中高年男性の夏の出で立ちの日本人男性が立っていました。
口の周り全体に髭を蓄え、メガネ姿のそのお顔は、昨今のエリック・クラプトンやボブ・ジェームスを彷彿とさせる感じです。
チェックイン・フォームに記入していただくのですが、その手も途中で止まった状態で
「外国人はよく来ますか?」
「昨日は釜ヶ崎に泊まったんだけど、外国人だらけでした。」
「久しぶりに藤井寺の辺りに来たけど、大阪の原風景があって、いいですね。」
と、話しが止まりません。🤗
そうこうしているうちに、もう一人の宿泊ゲストさんが到着。
当館のラウンジのテーブルにお二人が向かい合って座る形となり、二人でチェックイン・フォームに記入する状態になりました。
ちなみに、そのもうひとりのゲストさんは前々回のブログ記事でご紹介したイギリス人男性でした。
そこで、その日本人男性はイギリス人男性に「どこから来た?」と英語で聞き、それからはその二人と私とで英語で日本、イギリス、アメリカについて長いこと話していました。
なんでも、この方はこれまで40年間アメリカに暮らし、アメリカの大学で数学の教授をされているそうです。
最初に日本語で話されていたときにアメリカに40年住んでいるということを教えてくださっていましたが、その日本語は大阪弁のイントネーションであり、はたして、この方はもともとのご出身が大阪市内とのことでした。
アメリカでは大学教授の他に、柔道の先生もされていて、筋骨隆々ガタイのデカいアメリカ人男性も柔よく剛を制す柔道ではこの先生にかなわないそうです。
アメリカでのステイタスは、帰化したのではなく、グリーンカードを持っているのでアメリカに居住できるそうで、アメリカに暮らし、アメリカで働き、アメリカで納税しているけど、アメリカで選挙権は無いそうです。それがグリーンカード保持と永住権との違いだそうです。
老後は日本に住もうと考えているそうで、そのために今回、一時帰国をされたそうです。
たとえば、大阪市内にこの方の戸籍謄本はあるけど、今はもう日本にこの方の住所が存在しないそうで、それでも日本に引っ越せるのか、そういった一連の手続きはできるのか、といった疑問があったとのことで、当館滞在中に役所に相談に行っていました。
一方、今まで勤務されてきたアメリカで年金も支払ってきたので、すでにご自身が年金を授与されているそうで、それが日本の年金の倍以上の金額だそうです!!!😱
さらに、昨今の円安の影響で、日本円で年金を受け取るとさらにお得なようです。💰
大学では数学の先生をされているそうですが、数学の他に哲学にも造詣が深いようで、日本人と西洋人における人と人との距離感の違いや、日本人にとって英語が難しい要因のひとつは日本人がそもそも理論的に考えを述べる傾向にないからだ、など、語る内容が底を尽きません。🍵
そういった事例を語る中で、精神病理学者・木村敏による「人と人との間」という本や、哲学者・和辻哲郎、人類学者・今西錦司といった人物を紹介してくださいました。
また、東京のとある有名大学よりも京都のとある有名大学の方が講義ばかりでなく学生に考える力をつけさせるから良いと言われていました。
私はそれを全く知りませんでしたが、それを聞いて思い当たる話がありました。イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学は、イギリスの二大大学ですが、そこでは講義を聴くのではなく、担当のチューターに「これについて研究してきます。」と告げて、それからは図書館などで自分で調べて研究し、文献をまとめるのが主だそうです。
また、この方は、「普段から学生たちに言っているんだが、何事も自分でspell outできなきゃダメだ。」とおっしゃいます。つまり、何事も自分でかみ砕いて説明できるようではないと理解できたとは言えないということですが、これには私は思うところが二つありました。
ひとつはアインシュタインの名言で、「6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない」というものです。
もうひとつは、私自身の英会話レッスンで毎回やっているアクティビティのひとつですが、単語カードを使うか、または何かしら任意の単語を事前に書いておいて、その英単語を英語で表現して、相手がその単語を当てるというものです。これを私と受講生とでお互いにやっています!✊
また、この方は、「綺麗な花というものは存在しないんだ。花が綺麗だと言うことはあっても、綺麗な花が存在しているわけではないんだ。」と語ります。
う~ん、文字通り哲学的で逆説的で分かりにくいですね…。😅
そこで私は、「それと同じような英語のことわざがありますね。」と返しました。
彼は「なんていうことわざ?」と聞いてくださったので私は
'Beauty is in the eye of the beholder (美は観る人の目の中にある).' と引用しました。
彼は「そう、そういうこと。」と言ってくださいました。😉
当館ご滞在中に藤井寺イオンの中にあるスターバックスコーヒーに行ったり、他のアメリカ系列のお店に行ったりして、「こっちの店はスタッフの対応がスゴイね~。」と感嘆していました。この接客はアメリカにはないよ、と。
まさしく欧米からの訪問客が日本で驚くことに驚いているといった塩梅ですが、私は「特に感情がこもっていない、マニュアル通りの丁寧な接客で、『ありがとうございました~。』と言いながら明後日の方向を見ている店員もいますよ」と、ネイティブ日本人ならではの見解もお伝えしました。🍵
来年には本格的に日本に戻って、まずは日本国内を旅したいとおっしゃっていました。
そのとき、この方の目に日本はどう映るのでしょうか。
美として映るのでしょうか。☕
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