ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、40代ぐらいと思しき男性が宿泊されました。
チェックイン・フォームには住所欄に「長野県」と書かれていましたが、
「長野からお越しですか。」と伺うと、
「アメリカに住んでるんです。それは実家の住所です。」とのこと。
聞いてみると、お勤め先の会社のアメリカ支部に3,4年勤務されているそうです。
藤井寺出身の奥様と一緒に帰国し、しかし奥様の実家に旦那様が寝泊まりするスペースが無いので当館に宿を取ったとのことでした。
私がゲストハウス庵で英会話レッスンも行っていることに興味を持たれ、
「やっぱり、子供のうちから英語をやった方がいいですかね。私は仕事でアメリカに住むことになったものですから、ほんの数年前から英語を話す状況になった感じです。」と話してくださいます。
「アメリカ人の人たちは、こっちが聞き取れなくて聞き返しても全然ゆっくり話してくれません。」とか、
「アメリカ人って、必ず 'How are you?' って聞いてきますよね。朝も聞いてきたのに同じ人が午後にもまた 'How are you?' って聞いてきますからね。一日のうちにそんなに変わんないよ、と思ったりしますけど。」など、いろいろ思うところがあるようです。🤗
でも、仕事の会議等でアメリカ人スタッフと議論できるだけの英語力を身につけることができているようで、スゴイですね!
さらに、
「10月はハロウィンがあって、11月には感謝祭とブラックフライデーがあり、12月にはクリスマスがあり、うちの会社だけかもしれませんが、この時期にはアメリカ人はあまり仕事しなくなるんです。こっちは普通に仕事しててメールとかしてるんですけど、返信が来なかったりするんですよ~。」
だそうです!🤣
この方、最初に数日分の宿泊予約をされ、その日数分の宿泊をされたのですが、その後、一日ごとに延泊されました。それも、延泊するかどうか前日まで分からないという塩梅でした。
ほのかに不思議に思っていたところ、ひょんなことからこの方が話してくださったのが、奥様が妊娠されていて、今にも出産しそうだということでした。なるほど、それで一時帰国されたのですね。 奥様の産婦人科病院は藤井寺市の南にある富田林市の喜志にあるそうで、出産が夜中になった場合、夜中に当館を出入りしても大丈夫か、また、もう電車も走っていない時間帯でタクシーがつかまらなかったら足がないので、当館の自転車をレンタルしてもいいか、と打診されました。
当館から喜志まではおよそ8kmあり、夜中に自転車で行くには遠く、心もとない気がすると伝えましたが、 「でもほかに手がないので。」と、躊躇いなくおっしゃいます。
そうして出産予定日の夜、自転車をご自由にお使いくださいと告げ、私は寝床につきました。
翌朝、私が起きて降りてみると、彼の靴はあるし自転車もあります。
どうなっているのかな!?
しばらくして彼が起きて降りてきて、平然としているので伺ってみると、
「あ、まだ産まれてません。」とのことでした。
その日も丸一日奥様のもとにおられて、夜になって当館に戻ってこられました。
戻ってこられた際に、
「あ、産まれました。」と彼。
「おめでとうございます~!」と私。
日中のご出産だったようです。🤗
翌日、役所に出生届を出して、その次の日の朝に当館をチェックアウトされました。
それからは旦那様おひとりでアメリカに戻られるとのことで、この次は正月休みに帰ってくるそうです。
しばらくしたら奥様も赤ちゃんを連れてアメリカに戻られるようですが、
「物心つくころには任期を終えて日本に帰ってくるので、子供は英語は覚えなくていいかな、と思ってます。」と言われていました。😅
今にも出産という緊張感と、駆け付けるための交通手段と、どれだけ延泊するかといった点でずっと張りつめていたものがいい感じで解消されたようで、赤ちゃんが産まれた後の最後の一泊のときには「飲みませんか?」と、彼がビールを持ってきてくれました。🤗
思えば、私の方が祝い酒を提供するべきだったように思いますが、その前の晩までは彼がお酒を飲むことがほぼ無かったので、彼の方から誘ってくれたのはやや意外で、嬉しかったです。お酒を交わしていなくても何かと会話は盛り上がる方ではありましたが、当館滞在最後の夜であり、無事にご出産されたお祝いでもあり、これは縁起がいいというものです。🤗🍶
彼のアメリカの話、かつて私が住んでいたイギリスの話、音楽の話、私が震災ボランティアで行ったネパールが英語圏と全然違って面白い体験になった話など、会話が盛り上がりました。
またこちらにお戻りの際にお会いしたいです~!🍻
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